機械の据付や芯出しで隙間・段差・傾きを微調整するとき、平板シムを重ねるより有利なのがテーパーシムです。本記事では基本構造から材質選定、代表的な加工例までを整理して解説します。
テーパーシムとは、片端が薄く反対側に向かって徐々に厚くなる、勾配状の薄板シムです。2つの部品の間に挟むことで、隙間・段差・傾きを一体で調整する用途に用いられます。
図面指示では「勾配」と「テーパー」の混同に注意が必要です。勾配が基準線に対する片側のみの傾斜を示すのに対し、テーパーは中心線に対して両側が対称に変化する直径変化率を指します。同じ形状でも両者を混同すると、意図した角度の半分または2倍の製品ができてしまうため、テーパーシムのような片側傾斜の板状シムでは、通常「勾配」として角度や勾配角を指定するのが基本です。
参照元:meviy|ミスミ(https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/52068/)
テーパーシムは、小さなこう配の斜面を利用した「くさび」機構の応用です。くさび機構全般では5度前後のこう配が一つの目安とされ、同じ勾配を持つ斜面を重ねると上下面が平行を保ったまま高さや隙間を微調整できます。テーパーシムの実際の勾配角は用途に応じて設定されます。
薄い平板シムを何枚も重ねる方法では、積層面が沈み込んで機械がしっかり安定せず、締結後もがたつきや精度低下を招くことがあります。テーパーシムなら勾配を持たせた1枚で高さ・角度・隙間を同時に微調整でき、金型・治具の位置決め、機械据付、モーターとポンプの芯出しなど、多様な現場で用いられます。
参照元:MISUMI-VONA|ミスミ(https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/press_mold_design/pr02/c0333.html)
テーパーシムに用いられる代表的な材質には、ステンレス、焼き入れリボン鋼、鉄、真鍮、アルミニウム、銅などがあります。使用箇所の荷重・環境・電気特性を整理し、板厚精度を最優先しつつ選定するのが基本となります。
ステンレス(SUS304・SUS430など)は厚みの精度が高く、強度・耐食性・耐熱性にも優れることから、シムプレートの材質として最も多く採用されます。焼き入れリボン鋼は、SK材やSUP材などの炭素鋼帯に熱処理を加えた高硬度材で、高い圧力がかかる金型部やプレス金型の隙間調整に向きます。鉄はコストが安く熱処理も容易な反面、錆びやすいため塗装やメッキによる防錆処理が前提となります。
真鍮は加工性と電気伝導性に優れ、電気接点を伴う機構でも使用できます。アルミニウムは酸化皮膜による耐食性を持ち、軽量で汎用性の高い調整用として選ばれます。銅は導電率と熱伝導率が高く、アースや放熱を兼ねる箇所の選定候補です。テーパーシムは高さ調整が主目的のため、材質より板厚精度と厚み公差を優先し、そのうえで環境条件に合う材質を選ぶ手順が実務的です。
加工例の情報は見つかりませんでした。
テーパーシムは、勾配を持たせた1枚で高さ・角度・隙間を同時に微調整できる薄板シムです。ステンレスや焼き入れリボン鋼を中心に、荷重・環境・電気特性に応じて材質を選定します。
機械据付、カップリング芯出し、プレス金型の位置決めなど、平板シムの積層では精度が確保しづらい現場でこそ真価を発揮します。特注品は加工法によりリードタイムが変わるため、仕様は早めに固めておきましょう。
目的別シム加工業者
おすすめ3選
引用元:特注シム製造センター.com(https://www.shim-manufacturing-center.com/)
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引用元:ハヤシ(https://www.hayashinet.co.jp/shim/)
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引用元:岩田製作所(https://www.iwata-fa.jp/html/option/sm28.html)
●JIS Q 9100認証を取得。エアバスやロールスロイスをはじめとする、世界中の航空宇宙業界でも採用。(※)
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