この記事では、長尺シムの特徴や材質、加工例について紹介しています。
長尺シムとは、部品のすき間を作るために使用される部品です。薄板シム・シムプレート・スペーサーなどとも呼ばれ、ワイヤーカットやレーザーカットによって製作されています。
長尺シムは通常のシムのように、すき間を埋めるだけではなくすき間を作るためにも使用されています。用途に応じて、製造装置や機械装置の中に組み込まれ、それぞれの製品の組み立ての精密性を向上させます。精密機器の組み立て以外では、金型の組み立てや微調整にも使われています。
長尺という名称のとおり長さが出せるシムのため、大きな機材や機械にも適しています。厚みにバラつきが少ない長尺シムほど、製品の組み立ての信頼性や精密度が上がり、長時間の使用にも耐えられるようになります。高精度な組立を求める場合は、品質のすぐれた長尺シムを使用することが大切です。
長尺シムは通常鋼板(板金の一種)で作られ、鋼板の材料にはステンレスが用いられます。なかでも長尺シムを含むシムプレートにはSUS304が多く用いられています。
SUS304は、鉄をベースとしてクロムとニッケルを混合させたオーステナイト系ステンレス鋼です。耐食性や耐熱・耐酸化力にすぐれています。SUS304は磁性を持っていない素材ですが、機械加工によって磁性を帯びる場合があり、金属らしい光沢感があります。ステンレスSUS全体の60%を占めるといわれ、汎用性の高さも魅力です。
SUS304と同様に材料に使われているSUS301は、SUS304からクロムとニッケルの割合を減らし、炭素を増やして加工硬化性を高め、強度を上げた素材です。SUS304にモリブデンとニッケルの含有量を増やすとSUS316となり、こちらは孔食や腐食への耐性が高くなります。析出硬化性を高めたSUS631も高い硬度を持っており、長尺シムなどのシムプレートに適しています。
本サイトでは、おすすめのシム加工業者3社を、対応できる素材の多さで比較。
目的に合ったシム加工業者探しはこちらから!

エッチング加工とファイバーレーザー加工を施した長尺シムです。平井精密工業株式会社のエッチング加工は厚み方向のバリが発生せず、高品質な長尺シムが作成可能。ファイバーレーザー加工についても、加工後に整面加工を加えてバリ取りを行っています。

東京金商株式会社の長尺シムは、470mmと325mmの2サイズに対応。独自のレーザーカット技術で希望の長さや厚みに仕上げることができます。板厚は0.1〜3.0mmまでオーダーでき、薄板長尺シムの加工ノウハウを取り入れて、平坦度などの精度を高めています。

株式会社イプロスでは、SUS304などの素材を使って長尺シムを製作しています。SUSのほか、鉄・アモルファス・特殊合金にも対応。過去に行った加工データも活用し、試作品の加工から量産までをワンストップで対応しています。
対応できる素材数で選んだシム加工業者
おすすめ3選
引用元:特注シム製造センター.com(https://www.shim-manufacturing-center.com/)
●極限までバリを抑えた「バリレス精密プレス」で高精度のシム加工品を製造。多様な素材・多品種少量のニーズにも柔軟に対応ができる。
●試作開発において工程能力を測定し、量産時の精度やコストに適した設計を提案。効率的で高品質な量産体制を実現できる。
引用元:名古屋発條工業(https://meihatsu.co.jp/products/)
●材料入手からプレス~検査までを自社で一貫して行い、精密部品の加工製造を実施。
●洗浄・研磨・乾燥を1工程で行い、コスト削減と効率化を実現。厚さ6ミクロン単位で特殊用途シムの製作にも対応できる。
引用元:岩田製作所(https://www.iwata-fa.jp/html/option/sm28.html)
●常時在庫を持ち、スタンダードなシム加工品であれば1個から当日発送が可能。
●FA部品メーカーとしての技術を活かし、産業機械や光学機械のほか、航空・宇宙産業にも納入実績がある。
※2021年4月15日時点でGoogleにて「シム加工」と検索した際に表示される上位25社のうち、公式サイトに品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001取得と対応ロット(個数)の記載がある3社を厳選し、加工できる素材が多い順に会社を紹介しています。