シムとワッシャーは形状が似ている場合もあり、違いがわかりにくい場合もあります。シムの場合は、部品の間に挟み込んで位置や精度の調整、スベリ止めの役目をしますが、ワッシャーにはシムとは違う使用目的がありますので、以下に詳しく解説していきます。
一般的なワッシャーは平たい形状をしており、主な使用目的は、母材の陥没防止と母材の損傷軽減となります。陥没防止の役割は以下のとおりです。ボルトを締めるときには軸力が発生して、母材同士を固定します。しかし、軸力が集中する範囲が狭いと、母材が陥没してしまい軸力が弱まり、結果的にボルトが緩んでしまいます。また、損傷軽減としては、ボルトを締め込んだときの傷により、塗装剥がれやサビが発生しますが、ワッシャーはそれらを防止する事もできます。もう一つ、似ている部品としてスペーサーがありますが、これは部品間の空間を確保し位置決めなどに使用するものです。
ワッシャーの材料としては鉄やステンレス製以外にもゴムやシリコン、プラスチックなどの素材もあります。また、金属製のワッシャーでは表と裏で形状が違うこともあります。一方は角が取れて丸みを帯びており、一方は角が立っています。どちらを母材側にするかは構造や状況によって変わります。
ワッシャーには平たいワッシャー以外にも用途に合わせてさまざまな形状があります。多くの特殊ワッシャーは製造工程に合わせたオーダーメードによって製作されています。特殊ワッシャーの製作には非常に高い技術が必要となり、数ミクロン単位の超極薄板加工などが求められます。
0.5mmの板厚にプレス加工により制作した丸い形状のワッシャーです。
バリレスシムのため、変形やバリが少ない仕上がりです。
0.5mmの板厚にプレス加工・バレル処理により制作した丸い形状のワッシャーです。
ステンレス(SUS304)素材で、動力伝動装置などに用いられています。
長穴用のワッシャーです。
材質は鉄(S45C)黒染め、鉄(S45C)/無電解ニッケルメッキ、ステンレス(SUS304)の取り扱いがあります。
岩田製作所のワッシャーはバネ座確保にも用いられています。
材質は長穴用のワッシャーと同じく、鉄(S45C)黒染め、鉄(S45C)/無電解ニッケルメッキ、ステンレス(SUS304)の取り扱いがあります。
東邦アストリーでは、過去にSK材や銅での金属ワッシャー加工を請け負っています。
自社工場で丸形各種寸法の汎用金型を取り揃えているため、本型を作らす制作できます。
シムとスペーサー、ワッシャーは形状が似ていることから、混同する場合もあります。しかし、それぞれの使用目的を理解していれば、間違えることはないはずです。担当する工程でどれを使用するのか、考えながら作業をしましょう。
対応できる素材数で選んだシム加工業者
おすすめ3選
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