こちらの記事では、配管の部品に多く使われているフランジ用シムリングについて紹介しています。
フランジ用シムリングとは、平たいドーナツ型をした金物で、小さな円がドーナツ型の中または外側に配置されています。円の数は金物の種類や用途によって異なり、それぞれの穴は均等に配置されています。
シムと呼ばれる金物は機械装置の組立や高さ調節などに欠かせないアイテムです。フランジ用シムリングはフランジ(flange)とも呼ばれ、英語の「輪縁」「帽子のつば」のように、部材の「端」を接合するために使われています。
たとえば、組み立て作業では部品同士を取り付けるときに取付面に問題が発生することがあります。設計上の問題やその他、部品を重ねることによる公差が発生することで、正しく機械を組み立てるために精度を細かく調整しなくてはなりません。
その際に使われる部品のひとつがフランジ用シムリングです。同じ精度調整に使われるスペーサーやライナーと異なり、1.0mm以下の薄く加工された金物が一般的に「シム」と呼ばれています。
フランジ用シムリングの種類には「スリップオンフランジ」「ソケットウェルドフランジ」「ウェルドネックフランジ」「ルーズフランジ」「スレーデッドフランジ」などがあります。いずれも接合の際にパッキンとの間に使われたり、フランジを取り付けてから溶接をしたりと、フランジをつけてから管を接合する施工が行われます。
フランジ用シムリングは、用いられる機械や環境に応じた材質を使って製造されています。特に多くみられるものが真鍮・鉄・ステンレスで、加工方法にあわせて適切な素材が用いられます。
真鍮製・ステンレス製のフランジ用シムリングは鉄よりも高価ですが、真鍮は加工がしやすくステンレスは厚さを薄く仕上げても強度が確保できるため、コストを上回るメリットもあります。真鍮・鉄・ステンレス以外では銅・アルミ・鋼材も素材に用いられています。
山内スプリング製作所では、産業機械・繊維機械・食品機械・印刷機械・電子部品向けにステンレス製のフランジ用シムリングを製造しています。ファイバーレーザー加工またはワイヤーカット加工機を用いて、ロット数に応じてコストのかからない方法を採用しながら、必要数を提供しています。
同じ形状のシムプレートを厚さ0.01~0.10まで0.01mm刻みで製作し、10枚程度で5日、30枚では10日程度の納期で提供しています。
機械部品を数多く取り扱う岩田製作所では標準機械部品から特注品まで、希望のサイズのフランジ用シムリングを1枚からオーダーできます。鉄・焼入鋼・ステンレス・真鍮・アルミをそれぞれ素材として使用し、公式サイトから希望の材質・内径・外径などを記入して発注できます。
数量オプションとして、レーザーマーキング・スタンプマーキング・粘着剤塗布・黒染め(鉄と焼入鋼のみ)を追加工することができます。
対応できる素材数で選んだシム加工業者
おすすめ3選
引用元:特注シム製造センター.com(https://www.shim-manufacturing-center.com/)
●極限までバリを抑えた「バリレス精密プレス」で高精度のシム加工品を製造。多様な素材・多品種少量のニーズにも柔軟に対応ができる。
●試作開発において工程能力を測定し、量産時の精度やコストに適した設計を提案。効率的で高品質な量産体制を実現できる。
引用元:名古屋発條工業(https://meihatsu.co.jp/products/)
●材料入手からプレス~検査までを自社で一貫して行い、精密部品の加工製造を実施。
●洗浄・研磨・乾燥を1工程で行い、コスト削減と効率化を実現。厚さ6ミクロン単位で特殊用途シムの製作にも対応できる。
引用元:岩田製作所(https://www.iwata-fa.jp/html/option/sm28.html)
●常時在庫を持ち、スタンダードなシム加工品であれば1個から当日発送が可能。
●FA部品メーカーとしての技術を活かし、産業機械や光学機械のほか、航空・宇宙産業にも納入実績がある。
※2021年4月15日時点でGoogleにて「シム加工」と検索した際に表示される上位25社のうち、公式サイトに品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001取得と対応ロット(個数)の記載がある3社を厳選し、加工できる素材が多い順に会社を紹介しています。