なるシム なるほどシム加工読本 » シム加工の基礎知識 » トムソン加工とは

トムソン加工とは

トムソン加工とはビク抜き・ビク型とも呼ばれ、専用の型を使って、その形に打ち抜く打ち抜き加工のことを指します。この記事では、トムソン加工の特徴やメリット、デメリットについて解説しています。

工業製品のほかにも幅広く活用されている加工方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

トムソン加工の特徴

トムソン加工とは、木型(トムソン型)を使い、材料をプレスして型通りに抜く打ち抜き加工のことです。素材によっては、製品に直接折り目やミシン目を入れるような加工にも対応しています。

「トムソン」とはアメリカ人のジョン・トムソン氏が設立した会社の打ち抜き機からとった呼び名ですが、東日本ではビク抜きという名称が一般的です。こちらはドイツのシュナイダー社が使用していたビクトリア印刷機に由来しています。

トムソン加工はフィルム・シート・ゴムなどの柔らかい素材や薄い素材の打ち抜きに使われており、トムソン型を製作してから加工を行います。

ただし、厚みが1mm以上あるもの、金属のような硬い素材には適していない場合があります。

トムソン加工のメリット

型の製作が容易でコストが安い

トムソン型は木製の型に金属の刃を埋め込んで作った型であり、繰り返し使えるためランニングコストの削減ができます。木型は金型よりも加工しやすく、近年ではCADを使ってスピーディかつ正確に、そしてリーズナブルに製作できるようになりました。

変更にも柔軟に対応できる

トムソン型を変更する場合も、金属を総削りする必要がないため製作期間を短くできます。型を一つ作れば繰り返し使えるため、短納期での対応が可能です。

たとえば、試作品や小ロット製品を製作する際には、短納期で型が作れるトムソン加工が適しています。1回目の試作品で改善点が見つかり、2回目以降も繰り返す際に、短納期であるほど満足度の高い試作品ができあがります。

金属素材への加工も可能

薄く柔らかい素材を得意とするトムソン加工ですが、金属を加工できないわけではありません。

打ち抜き加工にノウハウをもつ企業では、鋼板のような金属や硬度のある強化プラスチックも対応しており、豊富な材料の中から加工方法や型に適した素材を選ぶことができます。

トムソン加工のデメリット

硬すぎる素材への加工は苦手

金属や強化プラスチックにも対応できる加工方法ではありますが、素材に厚みがある場合や、硬すぎる素材には対応できない可能性があります。

複雑な形状には不向きである

厚みや硬さのある素材と動揺に、複雑な形状の打ち抜きも得意ではありません。

精密な形状の加工を依頼する場合は、トムソン加工にノウハウをもっている企業に依頼することが大切です。その場合、コストや製作にかかる日数に注意が必要です。

トムソン加工を用いたシム加工事例

フッ素樹脂のテフロン素材に対して、シム部品の製作のためにトムソン加工を行った事例です。厚み1.0の材料に対して送り抜き(順送)を施し、サイドパンチを使って精度を±0.2までに高めています。

トムソン加工を用いたシム加工事例
(https://www.fineblanking-thomson-press.com/%E3%82%B7%E3%83%A0)

対応できる素材数で選んだシム加工業者
おすすめ
3

豊富な素材から
適したシムを提案
飯島精機

引用元:特注シム製造センター.com(https://www.shim-manufacturing-center.com/)

●極限までバリを抑えた「バリレス精密プレス」で高精度のシム加工品を製造。多様な素材・多品種少量のニーズにも柔軟に対応ができる。

●試作開発において工程能力を測定し、量産時の精度やコストに適した設計を提案。効率的で高品質な量産体制を実現できる。

対応できる素材
対応できる素材

公式サイトで
シムについて相談する

飯島精機の
シム加工を見る

ミクロン台の
高精度シムに対応
名古屋発條工業

引用元:名古屋発條工業(https://meihatsu.co.jp/products/)

●材料入手からプレス~検査までを自社で一貫して行い、精密部品の加工製造を実施。

●洗浄・研磨・乾燥を1工程で行い、コスト削減と効率化を実現。厚さ6ミクロン単位で特殊用途シムの製作にも対応できる。

対応できる素材
対応できる素材

公式サイトで
シムについて相談する

名古屋発條工業の
シム加工を見る

適切なシムを
既製品から選べる
岩田製作所

引用元:岩田製作所(https://www.iwata-fa.jp/html/option/sm28.html)

●常時在庫を持ち、スタンダードなシム加工品であれば1個から当日発送が可能。

●FA部品メーカーとしての技術を活かし、産業機械や光学機械のほか、航空・宇宙産業にも納入実績がある。

対応できる素材
対応できる素材

公式サイトで
シムについて相談する

岩田製作所の
シム加工を見る

※2021年4月15日時点でGoogleにて「シム加工」と検索した際に表示される上位25社のうち、公式サイトに品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001取得と対応ロット(個数)の記載がある3社を厳選し、加工できる素材が多い順に会社を紹介しています。