シムの中には、パンチング加工を行ったうえで使用するものもあります。そこで、パンチング加工にはどのような特徴があるのか、確認しておきたいメリットやデメリットなどを解説します。
パンチング加工とは、プレス金型を用いて孔(あな)を開ける加工このことをいいます。加工する際に使用されるのは、孔の開いている金型である「ダイ」と、円柱状の金型である「パンチ」です。パンチ径を変えることにより、穴の大きさを調整できます。
丸孔のサイズはφ(ファイ)で表現され「φ10」は丸孔の直径が10mmであることをさします。一般的な孔は丸孔ではありますが、他にも長孔、丸十(〇十)、六角形など種類は豊富です。孔の配置によってさまざまな模様を演出できます。デザイン性の目的で選択されることもある加工方法です。
日常生活で使用するものにもパンチング加工が用いられているものが多くあります。例えば、調理で使用する金属製のザルもその一つです。また、電化製品の外装、内装にもパンチング加工された金属が使用されていることがあります。
パンチング加工でよく使用されている材料として挙げられるのは、鉄やステンレス、アルミニウムなどです。他にも、銅やチタン、真鍮などが使われることもあります。
パンチング加工を選択する代表的なメリットを3つ紹介します。
シム加工において孔を開ける方法としては、他にも機械的加工やレーザーを使った方法があります。パンチング加工は、これらと比較するとコストを抑えられるのが特徴です。これは、毎回専用の金型を作るのではなく、汎用金型を使用して加工を行うためです。その他の方法だと費用が高くついてしまうケースでも選択されています。
板状の金属と比較すると、孔を開けてある分軽量になります。それでいて金属なので強度も保てるのがメリットです。金属の強度と孔を開けることによる軽量化の両方を兼ね備えています。
孔を開けることにより、板状の金属とはさまざまな間違いがあります。例えば、光や音、風が通りやすくなるのが特徴です。さらに、熱や液体なども通すようになるので、さまざまな用途で活躍している加工方法です。
パンチング加工はメリットばかりではありません。以下のデメリットがあることも確認しておきましょう。
ランニングコストは安く抑えられるものの、イニシャルコストが高く付きやすいといえます。自社でマシンを導入するのか、外注するのかは、検討が必要です。
パンチング加工はバリが発生しやすい加工方法です。一般的に発生するバリは鋭いものなので、特に手に触れる部品はそのままの状態にできません。そのため、バリ取りの手間がかかるのはデメリットになってしまいます。
表面が平らであればさまざまな材料と組み合わせることも可能です。ですが、バリの程度によってはこれが難しくなることもあります。組み合わせて使用する場合は、その分工数がかかってしまう可能性があります。
工作機械用シムにパンチング加工を行った事例です。錆びにくい特徴を持つSUS304に対して加工を行いました。
対応できる素材数で選んだシム加工業者
おすすめ3選
●極限までバリを抑えた「バリレス精密プレス」で高精度のシム加工品を製造。多様な素材・多品種少量のニーズにも柔軟に対応ができる。
●試作開発において工程能力を測定し、量産時の精度やコストに適した設計を提案。効率的で高品質な量産体制を実現できる。
●材料入手からプレス~検査までを自社で一貫して行い、精密部品の加工製造を実施。
●洗浄・研磨・乾燥を1工程で行い、コスト削減と効率化を実現。厚さ6ミクロン単位で特殊用途シムの製作にも対応できる。
●常時在庫を持ち、スタンダードなシム加工品であれば1個から当日発送が可能。
●FA部品メーカーとしての技術を活かし、産業機械や光学機械のほか、航空・宇宙産業にも納入実績がある。
※2021年4月15日時点でGoogleにて「シム加工」と検索した際に表示される上位25社のうち、公式サイトに品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001取得と対応ロット(個数)の記載がある3社を厳選し、加工できる素材が多い順に会社を紹介しています。