なるシム なるほどシム加工読本 » 材質から探すシム加工 » チタン

チタン

強度も強く耐食性にも優れている素材であるチタンについて、素材としての特徴やシム加工の例を紹介します。

チタンの性質・特徴

チタンは「Ti」という元素記号で表記される銀灰色の金属のことです。チタンを含んでいる天然鉱物はチタン鉄鉱・ルチルなどがあり、とくにチタン鉄鉱はチタンの主原料になっています。工業的資源として広く活用されており、日本でも様々な分野で使われている金属です。

チタンには魅力的な特徴が多くあるので、どのような性質・特徴を持った金属なのかチェックしていきましょう。

比重が軽い

チタンの特徴と言えば、非常に軽いという点。金属とは思えないほどの軽さがあり、物質の重さの基準である比重は4.51という数値です。銅と比べれば半分程度、鉄と比べても3/5という軽さになっています。その軽さを活かして、多くの製品に用いられている状況です。

高い強度

チタンは軽いにも関わらず、非常に強度が高いという特徴があります。アルミであれば3倍、鉄であれば2倍もの強度があり、さらにバネ特性も持っているため、しなりやすいという性質も。強い外力を加えたとしても、その衝撃で折れる・割れるようなことはほとんどありません。この強度を活かし、強い外力が加わるような製品の材料として用いられることもあります。

耐食性が高く、錆びにくい

チタンは耐食性にも優れた金属です。非常に錆びにくく、とくに海水に対する耐食性も高いという特徴があります。そのため船舶など海で用いられる製品の材料にも合っており、高い頻度で使用されています。

疲労強度が高い

引張強度に対しての疲労強度は0.5~0.6という数値を誇っており、非常に疲労強度が高い金属と言えます。たとえば銅の疲労比は0.2~0.3なので、数値を比較しても2倍程度の強さがあるとされています。

チタンの加工性・用途

チタンは埋蔵量の多さも魅力の一つでしょう。地球上に存在している金属のなかで4番目に多い埋蔵量を誇ると言われており、基本的に枯渇しにくい金属です。そのため比較的安定した供給が可能な金属なので、工業分野など幅広い用途で用いられています。またチタンの軽い・強い・錆びにくいという特徴を活かし、日本でもチタンを材料とする製品は今後も増えていくことが予想されており、新たな製品の開発が行われています。

どのような分野でチタンが使われているのか、具体的にチェックしましょう。

飛行機などの航空機の部品

大空を飛ぶ飛行機などは、軽さや強さが求められる分野です。そのためチタンは飛行機などの航空機の部品に最適な金属と言えるでしょう。たとえば着陸装置であるランディングギアや胴体尾部であるテイルコーン、コックピットの窓枠など、とくに強度が必要とされる箇所の材料で使われています。

また熱伝導率も非常に優れているチタンは、上空であっても結露を生じさせにくいというメリットも。そのためチタンを活用することで、スムーズな運航に一役買っているとされています。

船舶などの部品

海上で活用される船舶などは、海水でも錆びにくい材料を使う必要があります。チタンは海水に対する耐食性に優れているだけでなく、強度や軽さもあるため船舶の材料としても向いている金属です。

土木や建設に関する部品

土木や建設に関する部品も高い強度が求められるケースが多いでしょう。たとえば一般的な住宅の屋根や、ビルの外壁、外観などは長期間使用し続ける部品なのでチタンは最適です。また歴史的な建造物や寺院などの屋根の材料としてもチタンが用いられているケースが多く、ただ強さだけでなく、木材を保護するための役割も果たしています。

アレルギー対策用のアクセサリーの材料

金属アレルギーの方が、通常のアクセサリーを身につけてしまうと蕁麻疹などの症状をきたしやすくなります。しかし純チタンは、金属のひとつですが、金属アレルギーを発症させにくいという特徴も。そのためアレルギー対策用のピアスやイヤリング、ネックレスなどのアクセサリーの材料として活用されています。

アウトドアやスポーツ用品の材料

アウトドアやスポーツなどの用品にもチタンは多く使われています。強度も高く、軽いという性質を活かし、テニスのラケットやゴルフクラブ、自転車のフレームなどの材料として用いられています。スポーツ店などで売っている多くの用品にチタンが用いられていると考えてもいいほどです。

その他

ほかにもロケットやエンジン、タンクローリー、カテーテル、心臓の人工弁、車いす、メガネ、カメラ、精密機器、電子機器、CTスキャナー、低温機器など様々な製品の材料として用いられています。私たちの生活にはなくてはならない金属のひとつです。

チタンの種類

チタンは純チタン・合金チタンの二つに大きく分類することができます。

純チタン

不純物をほとんど含まれていないチタンのこと。JIS1種・JIS2種・JIS3種・JIS4種の4種類に分類され、それぞれで性質などが異なります。

合金チタン

利用する用途に応じて、ほかの合金元素を配合したチタンのことです。配合する元素の種類で強度などの性質が変わります。使用する用途に合わせて、配合する物質や割合などを調整することで、幅広い製品の材料として活用されています。

チタン製シムの強度

チタンは基本的に強度の高い素材であり、ジェットエンジンやネジ、工具、自動車や車いすなど、さまざまなモノに使用されている素材です。

特にチタン合金は実用金属の中でも、高い比強度を持っています。

チタン製シムの耐食性

チタン材は酸化チタンの皮膜が強固であるため、特に塩素イオンに対して優れた耐食性を発揮します。

しかしながら科学的に活性であるため、酸素や窒素と反応しやすい一面もあるため、使用する際には注意が必要な素材です。

チタン製シムの価格

他の実用金属に比べても、価格が高い金属のひとつであるチタンですが、価格変動が大きいのも特徴。

当然時期によって相場は変わりますが、長い目で見ても価格が安定することはなく、波が大きい素材です。

チタン製シムの加工例

こだま製作所のチタン製シム

イメージ
画像引用元:こだま製作所(https://www.kodama-tec.com/case/use/shim-ring/004648.html)

こだま製作所のチタンを使用したシム加工はさまざまなモノがあり、薄板でも金型レスで製作が可能で、少量からの対応も可能です。

材質や形状、板厚、製作数に合わせた製作方法の選択が可能で、チタンのような非鉄金属でも加工できます。

こだま製作所の
シム加工を詳しく見る

アルファ―精工のチタン製シム

イメージ
画像引用元:アルファー精工(http://www.alphaseiko.jp/jigyo.html#num04)

アルファー精工では、チタンを用いたシム・スペーサー・ワッシャーの作成やエッチング加工も行うことが可能。

数量も1個から対応ができるほか、10,000個以上の量産であっても対応可能です。

アルファー精工の
シム加工を詳しく見る

平井精密工業のチタン製シム

イメージ
画像引用元:平井精密工業(https://www.hirai.co.jp/case/2501/)

平井精密工業ではチタンを使った加工製品も取り扱っています。

強度が高い分溶接もプレス加工も切削も難しいチタンですが、平井精密工業では精密なエッチング加工が可能です。

平井精密工業の
シム加工を詳しく見る

対応できる素材数で選んだシム加工業者
おすすめ
3

豊富な素材から
適したシムを提案
飯島精機

引用元:特注シム製造センター.com(https://www.shim-manufacturing-center.com/)

●極限までバリを抑えた「バリレス精密プレス」で高精度のシム加工品を製造。多様な素材・多品種少量のニーズにも柔軟に対応ができる。

●試作開発において工程能力を測定し、量産時の精度やコストに適した設計を提案。効率的で高品質な量産体制を実現できる。

対応できる素材
対応できる素材

公式サイトで
シムについて相談する

飯島精機の
シム加工を見る

ミクロン台の
高精度シムに対応
名古屋発條工業

引用元:名古屋発條工業(https://meihatsu.co.jp/products/)

●材料入手からプレス~検査までを自社で一貫して行い、精密部品の加工製造を実施。

●洗浄・研磨・乾燥を1工程で行い、コスト削減と効率化を実現。厚さ6ミクロン単位で特殊用途シムの製作にも対応できる。

対応できる素材
対応できる素材

公式サイトで
シムについて相談する

名古屋発條工業の
シム加工を見る

適切なシムを
既製品から選べる
岩田製作所

引用元:岩田製作所(https://www.iwata-fa.jp/html/option/sm28.html)

●常時在庫を持ち、スタンダードなシム加工品であれば1個から当日発送が可能。

●FA部品メーカーとしての技術を活かし、産業機械や光学機械のほか、航空・宇宙産業にも納入実績がある。

対応できる素材
対応できる素材

公式サイトで
シムについて相談する

岩田製作所の
シム加工を見る

※2021年4月15日時点でGoogleにて「シム加工」と検索した際に表示される上位25社のうち、公式サイトに品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001取得と対応ロット(個数)の記載がある3社を厳選し、加工できる素材が多い順に会社を紹介しています。