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ラップ研磨とは

ラップ研磨は、シムなどの表面粗さを0.01mm刻みで製作できる加工方法です。鏡面研磨とも呼ばれ、極薄のシムに対応できるため、精度の高い組み立ての用途に用いられます。ここでは、ラップ研磨のメリット・デメリットと加工事例を紹介します。

ラップ研磨の特徴

ラップ研磨は、シムやスペーサーの表面粗さを0.01mm刻みで製作できる研磨のことです。

「ラップ盤」と呼ばれる平たい円盤の台にシム製品などを載せて、研磨剤を流し込んで圧力をかけながら研磨していきます。湿式ラッピングと乾式ラッピングの2種類を要望に応じて使い分けながら研磨します。

湿式ラッピングはラップ剤に工作液を混ぜて加工します。できあがりは光沢感がなく、粗仕上げや中間仕上げに使われる方法です。

乾式ラッピングはラップ盤の上にラップ剤を薄く敷いて、加工の対象物を滑らせながら高圧加工します。精密な仕上げが求められる工程に採用されることが多く、鏡面に仕上がります。

シムやスペーサー製品の仕上げとして採用される加工であり、サイズ・形状・素材の加工幅が広がるほどさまざまな分野の製品に応用できます。

ラップ研磨を施したシムは電子部品・半導体・医療・航空宇宙・自動車・光学といった先端技術にも使われています。

ラップ研磨のメリット

さまざまな素材や形状に対応できる

ラップ研磨では、金属(難削材や超鋼材を含む)・ステンレス・結晶材料・樹脂・アルミ・ガラスなどの幅広い素材に対応できます。

メーカーによっては技術力を高め、超精密ラップ研磨も行っています。平面が主流ですが、曲面・球面・内径および外径の研磨も依頼できます。

仕上がりのサイズや形を相談できる

切削と研磨を自社で行っているメーカーでは、仕上がりのサイズや素材をリクエストできます。シム以外の形状として細長い部品や不規則な形状も要望できます。

メーカーによっては、製品のサイズや形のほかにコーティング面の研磨(溶射など)や量産、ラップ加工以外の加工方法との組み合わせも相談できます。

ラップ研磨のデメリット

メーカーによる対応力の違い

薄板加工としてのラップ研磨は、メーカーによって対応できる素材やサイズが異なります。

難削材や超鋼材への研磨、研磨以外の加工を組み合わせるようなケースについては、各メーカーのホームページで確認するか、問い合わせるなどしてください。

納品までに時間がかかる

高精度の研磨が可能なラップ研磨ですが、加工速度が比較的遅いため仕上がりまでの期間がかかります。

均等かつ精度の高い加工を求めるほど最終仕上げから納品までに時間がかかる点に注意が必要です。

ラップ研磨を用いたシム加工事例

ラップ研磨を用いたシム加工事例
画像引用元:株式会社 諏訪機械製作所(http://www.suwakikai.co.jp/product/p020/)

SUJ2(高炭素クロム軸受鋼)材に、φ8・板厚±5um以下の研磨加工を施した事例です。自動車エンジン部品のシムであり、100パターンのサイズに対応しています。

参照元:株式会社 諏訪機械製作所(http://www.suwakikai.co.jp/product/p020/

対応できる素材数で選んだシム加工業者
おすすめ
3

豊富な素材から
適したシムを提案
飯島精機

引用元:特注シム製造センター.com(https://www.shim-manufacturing-center.com/)

●極限までバリを抑えた「バリレス精密プレス」で高精度のシム加工品を製造。多様な素材・多品種少量のニーズにも柔軟に対応ができる。

●試作開発において工程能力を測定し、量産時の精度やコストに適した設計を提案。効率的で高品質な量産体制を実現できる。

対応できる素材
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ミクロン台の
高精度シムに対応
名古屋発條工業

引用元:名古屋発條工業(https://meihatsu.co.jp/products/)

●材料入手からプレス~検査までを自社で一貫して行い、精密部品の加工製造を実施。

●洗浄・研磨・乾燥を1工程で行い、コスト削減と効率化を実現。厚さ6ミクロン単位で特殊用途シムの製作にも対応できる。

対応できる素材
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岩田製作所

引用元:岩田製作所(https://www.iwata-fa.jp/html/option/sm28.html)

●常時在庫を持ち、スタンダードなシム加工品であれば1個から当日発送が可能。

●FA部品メーカーとしての技術を活かし、産業機械や光学機械のほか、航空・宇宙産業にも納入実績がある。

対応できる素材
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※2021年4月15日時点でGoogleにて「シム加工」と検索した際に表示される上位25社のうち、公式サイトに品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001取得と対応ロット(個数)の記載がある3社を厳選し、加工できる素材が多い順に会社を紹介しています。