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SUS420J2の熱処理について解説!

マルテンサイト系に分類されるステンレス鋼の一種SUS420J2。
熱処理によってどのような特性を持っているのか、また熱処理の工程や用途についても解説します。

熱処理で硬くなるSUS420J2

SUS420J2はマルテンサイト系ステンレスに分類されます。このステンレスは「焼入れ低温焼戻し」という熱処理を行うことで硬くなるという性質があります。

ただし焼入れ焼き戻しは、急激に冷やすことで硬くなるため、大きい材料ほど内部まで一気に冷えず硬さが入りにくくなります。焼入れする際には、SUS420J2の大きさに注意が必要です。

JIS規格ではSUS420J2の硬度は235HBWまで達すると明記されており、SUS420J1より高い硬度があります。これはC(炭素)量だけの差ですが、SUS420J2の硬度に大きく影響を与えています。

SUS420J2の熱処理工程

SUS420熱処理工程

SUS420J2などのマルテンサイト系ステンレス鋼は硬度が高いため、加工前に「焼なまし」により一旦硬度を下げます。その後、焼入れ、焼戻しという工程を経て熱処理を行います。

焼きなましとは、合金の硬度を下げるために行われることが多く、ほかに成分の偏りを低減したり、組織を均一にしたり、合金中に溜まった残留応力を除去するなどの効果も期待されます。

SUS420J2への焼きなましは800〜900℃でゆっくりと冷却する徐冷です。

次に行う焼入れは、980〜1040℃で急冷します。焼入れ後には材料が脆くなるというデメリットがあるため、それを改善するために焼戻しを行います。

焼戻しは150〜400℃で空冷します。焼戻しにより材料に粘りが生まれ、製品として使用する際の割れを防止します。

ただしSUS420J2などのマルテンサイト系ステンレス鋼の焼戻しは475℃で脆くなる性質があるため、熱処理温度に注意が必要です。

硬度の高いステンレス鋼の加工には、材料の知識やノウハウが求められます。

SUS420 J1とSUS420J2の用途

マルテンサイト系ステンレス鋼の特徴である高い強度や耐摩耗性があるSUS420 J1とSUS420J2は、以下のような用途で使用されています。やはり強度や摩耗耐性が求められるものが多く、その用途も幅広くなっています。

まとめ

高い強度と耐摩耗性を誇るマルテンサイト系ステンレス鋼の特徴を活かし、SUS420J2はさまざまな用途に使用されています。
しかしながら加工も難しく、材料の知識やノウハウが必要となります。 加工実績の豊富な加工業者を選ぶことが大切です。

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