機械装置を組み立てる上で欠かせない部品である「シム」。ここでは、シムとは何か、その材質や役割について紹介します。
機械を組み立てる上で使われる詰め物のことを「シム」と呼びます。機械を組み立てる際、部品をただ取り付けるだけではうまく精度が出ないことも珍しくなく、部品を積み重ねる中で差が出た場合は細かな調整が必要になります。
こうした精度の調整で使われるのがシムという部品です。シムを使わず既存の部品だけでぴったり合うのが理想的ではありますが、部品の傾きや部品の位置が完璧な状態になっていない場合、シムを挿入することで理想のバランスを実現します。
シムを多用しすぎると、部品をばらした際にシムを紛失するリスクが高まったり、組み立てを再現できなかったりといったデメリットも。またシムを多用することで機能が低下したり、見栄えが悪くなったりする場合もあります。
組み立てる機械に合わせて様々な材質が用いられたシムが存在しており、臨機応変な使い分けが可能です。金属材料の場合ステンレス製が一般的ですが、他にも真鍮やアルミ、チタン、銅など、その材質は多岐にわたります。
形状についてはシムが必要になる部品や位置に合わせて加工されるため、様々な種類が存在します。
厚さや長さもミリ単位で調整でき、リング型の製品の高さ調整にシムを用いる場合なら、シムも同様にリング型を選択。他にも「C」字型のシムやモーターの高さを調整するベース用シムなど、挿入する箇所に沿うような形状で柔軟に加工されます。
シムの種類は形状や材質によって分類されています。隙間を埋めるための薄い板ですが「シム」は大分類の呼び方で、さらに細分化し「スペーサー」「ライナー」「ワッシャー」という呼び方をする場合も。
スペーサーは傾きを変化させず部品の位置調整をするもの、シムは隙間を埋める板の中でも薄型のもの、厚みを持った詰め物を指す場合はライナーと呼ぶなど、厳密な使い分けがあるわけではなく、人によって違う場合もあるようです。
シムが利用されるのは、より高い精度を実現すべき場面や、高さや隙間を調整する必要がある場面。機械部品の取り付け面が面削されていない状況や、面削されていても部品の積み重ねによる高低差が生まれた状況などでは、シムを用いて正確な微調整が可能となります。
場合によっては様々な厚板のシムを用意して、シム同士を重ねて使うケースもあります。
スペーサーは厚みを持った詰め物で、シムとは区別して利用される場面も少なくありません。厳密に言えば詰め物でも、挿入して隙間を確保しスペースを作り出すのがスペーサーと呼ばれるものです。スペーサーはあえて隙間を作り出すことにより、摩耗を減らすという目的も持っています。
傾きを大きく変化させることなく、部品の位置調整をするための詰め物として利用されることもあります。
対応できる素材数で選んだシム加工業者
おすすめ3選
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●材料入手からプレス~検査までを自社で一貫して行い、精密部品の加工製造を実施。
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●常時在庫を持ち、スタンダードなシム加工品であれば1個から当日発送が可能。
●FA部品メーカーとしての技術を活かし、産業機械や光学機械のほか、航空・宇宙産業にも納入実績がある。
※2021年4月15日時点でGoogleにて「シム加工」と検索した際に表示される上位25社のうち、公式サイトに品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001取得と対応ロット(個数)の記載がある3社を厳選し、加工できる素材が多い順に会社を紹介しています。